横浜市信用保証協会の現況 ディスクロージャー2020
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事業計画・評価17令和元年度は台風関連および新型コロナウイルス感染症関連の保証申込増加により、保証承諾が増え、保証債務残高も増加に転じました。台風第15号で被害の大きかった金沢臨海部産業団地において迅速に現地相談窓口を開設し、被災企業に寄り添って親身に対応したこと、加えて新型コロナウイルス感染症の影響を受ける市内事業者からの急増する保証申込みに対して最大限のスピードで応えるために協会全体として対応している点は高く評価します。また、令和元年度も横浜市中小企業融資制度の創業3制度で「保証料負担ゼロ(横浜市の助成+保証協会の割引)」を継続し、市内図書館での期間展示や市内新設法人宛のダイレクトメール発送などの広報にも力を入れ、多くの創業保証に繋げることができていますので、創業期の事業者支援は引き続き取組んでいただくことを期待します。金融機関との連携にあたっては、各階層別に金融機関を訪問するとともに、保証の現場からの提案に基づき金融機関の女性職員向け業務説明会を開催するなど、金融機関との連携のみならず、協会職員の活性化にも繋がるものと評価します。今後、コロナ禍によって世の中のビジネスモデルが大きく転換する可能性があります。新たなビジネスモデルに合った事業者支援の方法については常に模索していっていただくことを期待します。【期中管理・経営支援部門】令和元年度は適切な期中管理、経営支援や再生支援、大口の代位弁済先の減少などにより、代位弁済が大きく減少しました。経営支援においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響から計画未達の事項もありました。新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たず、訪問や面談が難しい状況にあるとは思いますが、経営支援先等に対しては電話等により接点を持ち続けるようにしてください。期中管理部門では、専任担当による早期資産調査が寄与して保全措置の成果が出ているようですので、引き続き迅速な資産調査に取組むことを期待します。財務診断報告書提供サービスについては、保証協会を利用していない事業者の利用が増加するように当該サービスの告知先の選定の見直しなどを検討してみてください。【収支状況】保証承諾および保証債務残高の増加により保証料収入が増え、当期収支差額は計画を上回る実績となりました。当期収支差額は適正に収支差額変動準備金等に繰り入れされているため問題はありませんが、足元のコロナ禍により令和2年度以降は保証料収入の増加が見込まれる一方、急増する保証申込みに対応するための人件費や新型コロナウイルス感染症拡大防止措置などの業務費増加も見込まれます。加えて、中長期的に予想される代位弁済の増加による経常外収支への影響も考えられますので、経営基盤の強化に引き続き努めてください。【その他間接部門】新型コロナウイルス感染症の収束後には経営支援がより求められてくると思いますので、中小企業診断士資格を取得する職員が増えるように引き続き取組んでください。また、広報においてはホームページのリニューアル、LINE公式アカウントによる情報配信、ディスクロージャー誌の発行など、新たな取組みが多々できていることは評価できます。特に、ホームページのトップページは「新型コロナウイルス感染症により影響を受ける中小企業の皆さまへ」と大きく表示してあり、わかりやすく誘導できています。引き続き、見る側にとってわかりやすいホームページとすることを期待します。パワーハラスメント(以下「パワハラ」)防止法が令和2年6月に施行されています。パワハラの発生は職場環境の悪化のみならず、協会の信用失墜にも繋がることから引き続き防止に努めてください。なお、保証審査担当者を始めとする各職員には相当の負荷がかかり続けていると思いますので、今後も信用保証を通じた資金繰り支援を安定的かつ継続的にできるように、各職員の健康管理には十分留意するようにしてください。●外部評価委員会の意見【保証部門】

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